プロフィール

ひみつNo.36464

登録 2018年4月25日

明細数 0 明細

おとなりさん 0 人

RSS

スポンサーサイト

カレンダー

前月 6月  
01 02
03 04 05 06 07 08 09
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

月間アーカイブ

2018年6月

2018年4月

2018年6月 月間アーカイブ

2018/6/16

 「木の枝の上を走る許可をください

「木の枝の上を走る許可をください」「き、木の枝って……」口調を取り繕うほどの余裕は、サキカにはなかった。女性を、それも自分が恋慕の情を抱いている同い年の少女を背治療 脫髮ったことなど初めてなのだ。──耳元で聞こえる彼女の声が心地よい。気をそらそうとすればするほど、どうでもよいことに思考が向いてしまう。「──前にユリに禁止されましたが、森の中の移動はそれが一番楽でして」東の国へ修学旅行で行ったとき、あのしつこい男から逃れるために屋根の上を走ったのだが、危ないからとユリアスに禁止されてしまった。しかし、人生の大半を森の中で過ごしてきたサキカにとって、木の枝から枝へと跳ぶように駆けていくという移動方法は、木の幹や根、それから動物やら魔物やらを避けながら走るということよりも、余程楽しくて楽な移動方法なのだ。「お、落ちないんですかそれっ」「落ちたことはありませんよ」走りながら交わされる会話。「──……本当ですね!?」「はい」本当かどうかと念入りに訪ねてくるユリアスに、サキカは笑みをこぼした。緊張が緩み、速まっていた鼓動が落ち着く。「……だめ、ですか?」おずおずと遠慮がちに問うと、ユリアスは折れてくれた。「……わかりました。──絶対、ぜぇったいに足を踏み外したりしないでくださいねっ!?」もし今、彼女の顔が見れたとしたら、多分ユリアスは眉間に少ししわを寄せて、少しだけ唇を尖らせているはずだ。(……見なくても想像がつくとは……、僕は相当彼女が好きなのですね)──数日後、自分は本当に彼女たちから離れることができるのだろうか、と不安になってしまった。.