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ひみつNo.36464

登録 2018年4月25日

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2018/4/25

「あら、いらっしゃい」

「あら、いらっしゃい」店の奥にかけられた暖簾をくぐって現れたのは、70過ぎと思われる白髪の老婆であった。すみれ色の落ち着いた着物に、浅葱色の帯を締めた老婆は、物頭髮再生かで優しげな印象だ。目尻のしわが、彼女が若い頃からよく笑う人柄だったということを物語っている。老婆が口にしたのは、無論ジパング語で、サキカとガイアしか理解できなかったが、他の五人にも何となく意味は伝わったらしい。有舞はぺこりと頭を下げて、また並べられている商品を見始めた。「……なあ、サキカ」「ん?」ぼうっと櫛を眺めていたら、レイトに話しかけられた。顔だけそちらへ向ける。「昨日聞きそびれたんだけど、サキカって前に、刀左手で握ってなかったか? 昨日は右手だっただろ?」レイトは不思議そうな表情をしていた。刀の舞を舞うときに迷った末に右手で刀を握り、後から色々聞かれるだろうとは覚悟はしていた。「……俺は右利きだから」サキカに答えられることは、これしかない。まさか正直に、手加減と左手の訓練のために左手を使っていましたなどと言えるわけがない。刀の舞を舞うときに右手で刀を握っていたのは、単純に左手で刀を握って刀の舞を舞ったことがないからである。「それは知ってるけどさ」サキカがペン――主に学園で使っている羽ペンや万年筆――を持つ手も、昨日箸を手にしていた手も、右手だった。左利きが多い中で右手でペンを握ることは、クラスメートの間で右利きであると認識される程度には目立っている。「……これ以上は話せないんだ。ごめんね」――刀一つで敵を斬り伏せていく姿は、すでに文化祭の後夜祭の時に見せてしまっている。その上、それが手加減した状態だったなどということが知られてしまえば、お前は何者なのかと言われてしまいかねない。「そう、か……」「ごめんね。話せるようになったら話すから、それまで待っていてほしい」話す勇気ができて、彼らを守れるような力を身につけたときは、嘘偽りなく自らの正体を話す。それは、もう、サキカの目標の一つだ。その時に、彼らの近くにいられなくなっていても、彼らの元へと戻って話すつもりだ。.

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